子供から「習い事をやめたい」と言われるシーンと親の戸惑い
ある日突然、子供から「習い事やめたい…」と言われると、親は戸惑ってしまうものです。費用や送迎、今までの頑張りを思うと、つい「せっかくだから続けてほしい」と感じてしまいます。一方、子供の表情を見ると本気で悩んでいる様子に気づき、どう向き合えばよいか迷う方も多いでしょう。
特に共働き家庭では、習い事は貴重な機会であると同時に、送迎や時間調整など親の負担も大きいもの。その分「簡単にはやめさせたくない」という気持ちも自然です。
まずは、戸惑いや焦りを一度脇に置き、「なぜそう思ったのか」を落ち着いて聞く姿勢が大切です。この記事では、親が冷静に対応するためのヒントを具体的に紹介します。
習い事を辞めたがる理由を聞き出す方法と対話のコツ
子供が“やめたい”と言う背景には、必ず理由があります。ただし、それを深く聞こうとすると、子供は「怒られるかも」と構えてしまう場合があります。
そこで効果的な聞き出し方のポイントは以下のとおりです。
- 質問はやさしく、オープンに投げかける
例：“最近どんな気持ちで通ってる？” - すぐに結論を求めない
考えを整理する時間を与える - 否定せず受け止める
例：“そう感じていたんだね” - 事実と感情の両方を聞く
例：“難しいのがつらい？” “人間関係のこと？”
子供は、親が落ち着いて話を聞いてくれるだけで安心し、本音が出やすくなります。対話の質が、正しい判断につながる最初のステップです。
続けるかやめるかの判断基準と親が考慮すべきポイント
続けるか、やめるかの判断は「理由の種類」によって大きく変わります。
親が考慮したい主なポイントは次のとおりです。
- 一時的な疲れなのか、本質的な問題なのか
例：学校行事や季節の影響で疲れているだけ、など - 習い事の難易度が高すぎないか
達成できないストレスが重なっている可能性 - 指導者や仲間との相性
人間関係の悩みは想像以上に大きな負担 - 親の期待が過度に反映されていないか
- 子供が“目標を理解しているか”（目的がわからないと続けにくい）
「今日は嫌だけど本当は好き」という一時的な状況もあります。一方で、「行くたびにつらい」という根本的な問題なら、早めに調整や見直しが必要です。
親子で合意を形成するための話し合い方（子供の意思尊重と親の本音）
親子で納得して結論を出すためには、“子供の意思尊重”と“親の本音”の両方が必要です。
話し合いの進め方のコツは次のとおりです。
- まずは子供の気持ちを最優先で聞く（意見を受け止める）
- 親としての考えも正直に伝える
例：“続けたほうが得られる力もあると思う” - メリット・デメリットを一緒に整理する
- 期間を区切って様子を見る選択肢も提示
例：“1か月だけ続けてみて、また相談しようか”
親が「絶対こうしなさい」と決めてしまうと、子供は本音を言いにくくなり、信頼関係が揺らぐこともあります。一緒に決めたという感覚が、後悔しない判断につながります。
【事例】習い事を一度休ませてみた我が家の経験談
筆者の家庭でも、以前子供が「もう行きたくない」と涙をこぼす時期がありました。理由を聞くと「友達と合わない」「ついていけない気がする」という不安があったようです。
そこで思い切って、1か月の“お休み期間”を設けました。すると、気持ちが落ち着き、学校生活にも余裕が生まれました。再開するかどうかは子供に委ねたところ、「やっぱりもう一度やってみたい」と前向きな気持ちが戻ったのです。
この経験から学んだのは、“やめる”と“休む”の間には大きな差があるということです。休みを挟むことで、子供は自分のペースを取り戻し、選択する力を育てることができました。
まとめ：子供の決断にどう向き合いサポートするか
習い事をやめたいと言われたとき、最も重要なのは「子供の気持ちを丁寧に聞くこと」です。
- 理由を否定せず、オープンに聞き出す
- 一時的か本質的かを見極める
- メリット・デメリットを一緒に整理する
- 完全にやめる前に「休む」という選択肢もあり
- 最終的な決断は“親子で合意して”行う
習い事は続けることだけが正解ではありません。やめる判断も、子供の心の成長につながる場合があります。大切なのは、子供が安心して選択できるように、親が寄り添いながらサポートすることです。
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