引き出しに道具が詰まっているのに、よく使う物ほど取り出しにくい。そんなときは「最低限は何点」と数を決める前に、普段の料理でどの役割が必要かを確かめます。必要な数は、料理の種類、同時に作る量、洗うタイミング、使う人によって変わります。
ここでは、菜箸・おたま・トング・皮むき器などの調理小物を中心に、買い足す物、残す物、保留する物を決めます。おすすめ商品のランキングではなく、いまの台所に必要な道具を自分で選ぶ方法です。
最低限の数は「普段作る料理」から数える
まず、最近作った料理を三つほど思い出し、使った道具を書きます。三つは書き始めるための例で、それだけですべての用途を判定するわけではありません。お菓子作りや季節の料理など、頻度は低くても続けたい用途は別に残します。
| 料理・作業の例 | 使っている道具 | 数を決める前の確認 |
|---|---|---|
| みそ汁を作り、よそう | 包丁・まな板・おたま | 同時に別の汁物も作るか。鍋の大きさに合うか |
| 野菜炒めを作る | 包丁・まな板・菜箸など | 食材を動かせるか。使う鍋やフライパンに適合するか |
| サラダを作り、取り分ける | ボウル・ざる・取り分け用の道具 | 水切りと盛り付けを同時に行うか。洗う途中で不足するか |
これは道具の役割を書き出す例です。すべての家庭がこの組み合わせをそろえる必要はありません。「つかむ」「混ぜる」が同じでも、扱う食材、鍋への適合、使いやすさが違えば別の道具を残す理由になります。
これから作りたい料理ばかりが浮かぶ場合は、一週間の献立メモに実際に作る候補を置いてみます。道具を買った後に用途を探すより、必要な作業が分かります。
同じ物が二つあるときは、同時に使う場面を見る
おたまが二本あるという理由だけで一本を減らしません。一つが洗浄中にもう一つを使う、深い鍋と小鍋で使い分ける、調理用と取り分け用を分ける、といった役割があるかを見ます。
残す例:二種類の料理を同時に作るときに、同じ道具を繰り返し洗い直している。二本あることで必要な使い分けができるなら、重複ではなく役割のある二本です。
保留にする例:似た大きさの道具が三本あり、いつも同じ一本だけ選ぶ。ほかの二本を捨てずに別の保管場所へ移し、普段の調理で取り出す場面があるか確認します。
道具を減らすために、生の肉や魚を扱った物を洗わずに、そのまま食べる物へ使い回さないでください。衛生上必要な使い分けは優先します。食材や道具の扱いは厚生労働省の家庭での食中毒予防も確認できます。
専用道具を買う前に、洗って戻すところまで考える
「切るのが速い」だけで選ぶと、分解、洗浄、乾燥、収納で負担が増えることがあります。反対に、いまの道具を使いにくい人にとっては、専用道具を残す方が作業しやすい場合もあります。少ないこと自体を目標にしません。
購入前に書く四行メモ
- 何の作業に使う:例えば「普段作るにんじんの細切り」。料理名だけでなく困っている作業を書く。
- 今ある物では何が困る:時間、握りにくさ、仕上がり、後片づけなどを具体化する。
- 使った後に扱える:洗う部品、乾かす場所、食洗機への対応、刃の保護方法を製品表示で確かめる。
- 戻す場所がある:本体だけでなく、付属部品も収納できるか確かめる。
「いつか作る料理」しか浮かばない、部品の洗い方が分からない、収納場所が決まらない場合は、購入を保留する理由になります。逆に、繰り返す作業の困りごとが明確で、使用後の手入れまでできるなら、専用道具を検討する価値があります。
細切り器を検討する場合の考え方
月に一度だけ使いたい人と、普段の料理で繰り返し細切りをする人では、必要性が違います。前者なら今の方法を続ける案、後者なら道具を追加する案を比べます。ただし、包丁などでの代用を無理に続ける必要はありません。安全に扱えることを優先し、刃のある道具は取扱説明書に従い、付属の安全補助具がある場合は指定どおり使います。
材質名だけで、耐熱性や食洗機対応を判断しない
形が似ていても、材質、接合部、持ち手によって扱い方が異なります。「金属だから食洗機で洗える」「耐熱だから鍋に入れたままでよい」と一括りにしません。
例えば、貝印のSELECT100キッチンばさみの製品案内には食洗機対応が示されています。一方で、同社の包丁の案内では木柄製品は食器洗浄機・食器乾燥器に使えないとされています。この違いは、道具の種類や材質だけで判断せず、手元の製品ごとの表示を確認する理由になります。
また、ティファールのキッチンツールの案内は、調理中に鍋へ入れたままにしないよう注意しています。自分の製品の耐熱条件と使い方を確認し、鍋・フライパン側の対応する道具も合わせて確かめてください。
引き出しは「現役・用途限定・確認待ち」に分ける
普段使う物は取り出しやすい位置へ、季節の料理や行事で使う物は用途が分かる別の場所へ移します。すべてを一軍の引き出しへ入れなくても、必要なときに取り出せれば保管する意味があります。
- 現役:普段の料理で使い、戻す場所を決められる物。
- 用途限定:使用頻度は低いが、次に使う場面を説明できる物。
- 確認待ち:用途や状態が不明な物。「家族に用途を聞く」「取扱説明書を見る」など、次の確認を添える。
保留した物を取り出したら、その理由を残します。取り出さなかった場合も、短い期間だけを根拠に処分せず、季節用途や家族の使用を確認します。破損、ぐらつき、刃の異常などがある物は現役から外し、メーカーの案内に従って修理・交換・処分を判断してください。
説明書の場所が分からない場合は、型番から説明書を探して保管する方法につなげられます。洗剤やごみ袋などの消耗品が場所を圧迫しているなら、道具の数とは分けて日用品のストック上限を見直します。
まずはよく使う引き出し一つで、似た道具の役割を比べてください。「残す理由」と「買う前に確認すること」が分かれば、収納用品やセットを追加する前に判断できます。公式情報確認日:2026年9月14日。

